なぜうちの夫婦には子供がいないのか12「筋トレをしろ」
周りの人に子供を持たないことを話してみた結果わかったことがあります。
絶対に認めない、理解もしたくないという態度の人はやっぱりいるなってこと。
自分が体感している気持ちと違うものは存在しないという感覚みたい。
仮に存在しているのは認めてやってもいいけど、その人の欠陥が生み出した異常だと考える。
「心が歪んでるから」「幼いから」「責任感がないから」「怠惰だから」というレッテルをいくつか心の中に用意しているんです。
そして自分と違う人のことは
「わかんないけどあいつは〇〇だから」
の〇〇に負のレッテルをぺたんと貼って終わりって感じ。
そういう人にどう言葉を尽くしても、「あーあ。長々と言い訳してら」「悔し紛れにあれこれ喋ってる」としか認識されてなさそうでした。
忘れられないのはとある独身男性から
「ありえないでしょ、だめだよ。筋トレしなよ!」
と言われたことです。
筋トレ?
彼が言ったことはこういう意味でした。
「そういう結論になるのは心がいじけて弱いからだ。
君たちのひん曲がった心を強く持つにはまず体から。
体を強くするには筋トレをすることだ。
筋トレをすれば体も強くなるし、根性も育つので、人生何事も前向きな気持ちになり、産む気になるだろう。」
おぅ……?風が吹けば桶屋が儲かる的な転がり方をした話?
ユニークなアドバイスだわ。
彼としてはすごく論理的で極めて前向き&建設的なアドバイスをしてくれたつもりみたいでした。
彼の基本的な考え方がわかった気がする。
子供を持ちたくない気持ちになるのは異常だから、何か努力をして改善すべきってことですね。
その努力の中のおすすめは筋トレ。
昨今、定期的に体を動かすことの価値について言われているから、ひょっとしたら彼のいうことも少し合っているかもしれません。
これに関しては「根本的に理解し合えなさそうだし、これ以上私たちを理解して!私たちを認めて!と押し付けすぎるのも違うから、これはこのままでいいか」とあっさり諦める決意がつきました。
私たち夫婦、完全にクレイジー扱いwww
だけど、不思議と腹が立たなかったです。筋トレという飛躍が面白かったのは多分にあるw
筋トレは体に良いのだろうし、ひょっとしたら達成感や自尊心が高まるのかもしれない。
でも、生きる指針の決定と筋トレは直接的には関係ないと思う。
あー、違う感覚で生きててそれ以外は認めないという、アレかー、って思いました。
でもそんなこと言ってたら自分以外はみんなエイリアンってことになるぞ?
ただ私たちもハッとすることはありました。
そもそも周りの人にオープンにすると決めた時、こういう反応も覚悟して、内心ビクついてたはず。
でも思いの外みんなが親身になってくれたことで、この世はみんな理解し合おうとする世界なんじゃないか?と予想を上方修正して、私たちが麻痺してた面はありました。
これも世間だということを受け止めなくてはいけないですね。
高山さんは帰り道で
「彼の未来の妻や、現在の後輩は大変だな。
なにかできないことがあればと筋トレしろとハッパをかけられるんだろうな…」
と苦笑いしていました。
同感です。
つづく